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2026年10月21日 更新
Sakurata 063 注目特集

「又は」と「若しくは」の違いを徹底解説!契約書・公用文の階層ルール

目次
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    契約書や社内規程、あるいは役所へ提出する申請書類を作成しているとき、「又は」と「若しくは」のどちらを使うべきか迷った経験を持つ方は少なくありません。日常会話や一般的なメールではどちらも「あるいは」を意味する同義語として扱われますが、法制執務や公用文の世界では厳格なルールに基づいて明確に使い分けられています。

    この二つの言葉の配置を誤ると、文章全体のグループ分け(階層構造)が崩れ、契約条項の意味が意図とは正反対に解釈されるリスクさえ生じます。ビジネス実務や法務対応で恥をかかないために知っておくべき「選択的接続詞」の決定的な違いと仕組みを、具体例とともに解き明かします。

    📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
    • 要点1:「又は」は大きな区切り(上位階層)、「若しくは」は小さな区切り(下位階層)をつなぐ役割を持つ。
    • 要点2:並列する選択肢が1段階だけなら「又は」のみを使い、2段階以上のグループ差がある場合に初めて「若しくは」を使用する。
    • 要点3:「及び・並びに」のルール(並びに=大、及び=小)とは大・小の割り当てが逆になる点に注意が必要。

    【結論】「又は」と「若しくは」の違いは接続する言葉の「階層」にある

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    法令や公用文、契約実務において、「又は(または)」と「若しくは(もしくは)」はどちらも「AかBのいずれか」を選ぶ選択的接続詞です。辞書的な意味そのものに違いはありません。決定的な違いは、「言葉が属する階層(グループの大きさ)」にあります。

    日本の法制執務や公務員の文書作成基準では、文章の論理構造を明快にするため、次のような優先順位が定められています。

    ・1段階の単純な選択:常に「又は」を使用する(「若しくは」は単独で使わない)
    ・2段階以上の階層的な選択:大きなグループの区切りに「又は」、その内側にある小さなグループの区切りに「若しくは」を使用する

    つまり、「若しくは」は「又は」という大枠の選択肢が存在して初めて登場する、いわば「サブの選択肢をつなぐ接続詞」です。この順番の仕組みを押さえておくだけで、複雑な条文や規程も瞬時に構造を把握できるようになります。

    図解でわかる!法律用語・公用文における接続詞の優先順位と例文

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    文化庁が示す「公用文作成の考え方」や法令の条文解釈において、選択的接続詞がどのように配置されているのか、具体的な例文で見ていきましょう。

    【パターン1:階層がない単純な選択(1段階)】
    ・「東京 又は 大阪」
    ・「書面 又は 電磁的記録」
    ※選択肢が並列な関係にある場合、「若しくは」を使うのは誤りです。必ず「又は」を用います。3つ以上並べる場合も「A、B 又は C」と記述します。

    【パターン2:階層が2段階に分かれる選択】
    例えば、「(普通自動車か軽自動車)のいずれか」、あるいは「(原動機付自転車か自動二輪車)のいずれか」を選択させたいケースを考えます。

    ・表記:「普通自動車 若しくは 軽自動車、又は 原動機付自転車 若しくは 自動二輪車」
    ・構造:【普通自動車 or 軽自動車】 又は 【原動機付自転車 or 自動二輪車】

    一番大きな分岐点である真ん中に「又は」を置き、その内側の小さな分岐に「若しくは」を配置します。もしこれを逆に書いてしまうと、法律用語のルール上、全く異なるグルーピングとして解釈されてしまいます。

    【パターン3:階層が3段階以上になる場合】
    法令用例において3段階以上のグループ化が必要になった場合、「一番大きな区切りにのみ『又は』を使い、それ以外の下位の区切りはすべて『若しくは』を使う」という決まりがあります。最も大きな接続点だけが「又は」の座を維持し、それ以外はすべて「若しくは」で処理されるため、最上位がどこにあるかが一目で識別可能です。

    「及び」と「並びに」の違いもセットで把握!並列的接続詞の階層ルール

    又は 若しくは 違いの報道・詳細資料
    【資料】又は 若しくは 違い 報道・メディア記録

    「又は・若しくは」を理解するうえで、絶対に避けて通れないのが、両方を足し合わせる並列的接続詞「及び(および)」と「並びに(ならびに)」のルールです。実は、ここには初学者が最も陥りやすい落とし穴が存在します。

    それは、「階層の大・小関係が『又は・若しくは』と真逆になる」という点です。

    ・選択(or):大きい区切り=又は / 小さい区切り=若しくは
    ・並列(and):大きい区切り=並びに / 小さい区切り=及び

    具体例として、「(役員と従業員)全員、そして(委託先と派遣社員)全員」を並列させたい場合を見てみましょう。

    ・表記:「役員 及び 従業員、並びに 委託先 及び 派遣社員」
    ・構造:【役員 and 従業員】 並びに 【委託先 and 派遣社員】

    小さな単位を結びつけるのが「及び」であり、出来上がったグループ同士を結ぶ大きな接着剤が「並びに」です。「選択は『又は』がボス、並列は『並びに』がボス」と覚えておくと、頭の中で混同せずに整理できます。

    【実務で役立つ】契約書やビジネス文書での使い分けと注意点

    企業の法務担当者や総務・営業担当者が契約書を作成する際、この接続詞の使い分けを誤ると、思わぬ契約トラブルを招く危険性があります。

    例えば、契約解除条項で「甲が支払いを怠ったとき、若しくは 破産申立てを受けたとき、又は 乙の信用を著しく失墜させたとき」と記載されていたとします。この場合、法的な条文解釈としては、前二者が「若しくは」で小さなグループとして括られ、それと対比される形で後者が「又は」で接続されているとみなされます。

    本来は3つの事由をフラットに並べたかっただけであっても、接続詞の階層ルールが厳格に適用された結果、条項の適用範囲が限定的に解釈されてしまうリスクがあるのです。

    一方で、社内の一般的な連絡事項や社外へのビジネスメールでは、受け取りやすさが最優先されます。階層構造が複雑になりすぎる場合は、無理に1文の中で「又は」と「若しくは」を混在させるのではなく、「箇条書き」を活用して視覚的に整理するのが実務上最も確実でスマートな手法です。

    英語表現ではどう訳す?「又は」「若しくは」の英訳パターン

    グローバル契約や国際法務における英語表現では、日本語のように「又は」と「若しくは」に対応する専用の単語が分かれているわけではありません。基本的にはどちらも “or” を用いて表現します。

    しかし、日本語と同じく階層構造を明確にしなければ、英文解釈での多義性(ambiguity)が生じてしまいます。英語の契約実務(Legal Drafting)では、以下のような工夫で階層関係を表現します。

    ・カッコ(括弧)の活用:(A or B), or (C or D)
    ・相関接続詞の活用:either (A or B) or (C or D)
    ・インデント(箇条書き化):
    (1) A or B; or
    (2) C or D

    英文契約書を日本語に翻訳する際、原文が「(A or B) or C」となっていれば、日本語訳は「A 若しくは B、又は C」と正確に階層を反映させて落とし込むのがプロの翻訳作法です。

    【又は 若しくは 違い】に関するよくある質問(FAQ)

    Q1:選択肢が2つだけの単純な文章で「若しくは」を使ってもいいですか?
    A1:法令用語・公用文のルールとしては誤りです。階層差がない単純な選択肢をつなぐ場合は、必ず「又は」を使用します。「若しくは」は、すでに「又は」が使われている文の中で、さらに下位の選択肢を分ける際にのみ使用します。

    Q2:「A又はB又はC」のように、「又は」を連続して使っても問題ありませんか?
    A2:同列の選択肢が3つ以上並ぶ場合は、「又は」を繰り返すのではなく、読点(、)でつないで最後に「又は」を置くのが公用文の標準ルールです。具体的には「A、B 又は C」と表記します。

    Q3:なぜ「及び・並びに」と「又は・若しくは」で大・小のルールが逆なのですか?
    A3:明治期の法制執務確立の過程で、日常用語の語感をベースに体系化された歴史的経緯によります。「並びに」は言葉の響きとして全体を大きく束ねる印象が強く、「若しくは」は「もし〜ならば」という仮定的なニュアンスから小回りの利く分岐として配置されたとされています。理由はともかく、「選択は『又は』が大」「並列は『並びに』が大」という対比構造を公式として暗記するのが実務的です。

    まとめ:階層ルールを身につけて正確な文書作成を

    「又は」と「若しくは」の使い分けは、単なる言葉の好みの問題ではなく、文章の論理構造を正確に組み立てるための「階層のルール」に基づいています。上位の大きな選択肢には「又は」を配置し、その内部に含まれる下位の選択肢には「若しくは」を配置する——この大原則を理解しておけば、契約書や公用文の作成で迷うことはなくなります。

    特に法務文書やビジネスの重要書類では、接続詞ひとつの違いが条文解釈に決定的な差を生み出します。まずは手元の規程や契約条項を見直し、階層関係が正しく整理されているか確認してみることから始めてみてください。 (出典: 又は 若しくは 違い(Yahoo!ニュース))

    山田 裕介 (Yusuke Yamada)
    山田 裕介 (Yusuke Yamada) トレンドリサーチャー

    テクノロジーやライフスタイル領域を中心に執筆活動を行っています。趣味は写真撮影と旅行です。